[特集]地金高騰 - コロナショックも高騰を続けるゴールドの価値

高騰を続けるゴールドの価値

019年末に初めて新型コロナウイルス感染者が報告されて以降、日本はもちろん世界中の歴史が変わったと言えるほどの変化が続いています。国内初の感染者が発表されたのは2020年1月ですが、直後にクルーズ船や医療機関でのクラスターが発生するなど急速に感染者が増加していったのは記憶に新しいところです。2020年3月にはWHO(World Health Organization)が「広範囲かつ急速に感染が拡大している状況」としてパンデミックを宣言。同時期に日本国内でもロックダウンの可能性について言及する動きが見え始め、3月下旬には週末外出自粛といった措置も取られました。東京、大阪を中心に打ち出された対策が功を奏し、一時的に感染者数は減少したものの3月下旬の連休後に一転して増加、新型コロナウイルスという未知のウイルスへの十分な備えのない医療機関ではオーバーシュートがささやかれるようになり、4月7日には7都府県を対象とした緊急事態宣言を発令、その後4月16日には対象を全都府県に拡大しました。コロナ禍で初めての緊急事態宣言は、当初5月6日のゴールデンウイーク明けに解除予定でしたが、連休の影響を評価する必要があるとして5月14日に39県、5月25日に全面解除されるまで継続され、以降は全国の新規感染者数も少数で推移する傾向にありました。7月には感染者数が増加し、東京では警戒レベルを最大に引き上げるという動きがあったものの、新規感染者は若年層で重症化しづらく、死者数も少なかったため緊急事態宣言発令には至りませんでした。この間、7月21日には治療薬としてデキサメタゾンが承認、ファイザー社、アストラゼネカ社とワクチン開発に成功した場合には約6000万人分の供給を得ることに合意したことも発表。2020年12月にファイザー社のワクチンが英国や米国、2021年1月にはアストラゼネカ社のワクチンが英国やインド、欧州で承認を取得しています。日本国内では2021年2月14日にファイザー社とビオンテック社のワクチンが特例承認を取得、医療従事者への接種がスタート、5月21日にはアストラゼネカ社とモデルナ社のワクチンも承認され、高齢者、基礎疾患のある人を優先する形でのワクチン接種が全国で行われています。

世界的な大恐慌、未曽有の事態であることは間違いのないコロナ禍ですが、この状況で改めて注目されているのが「有事の金」という言葉です。2020年初頭の金価格は5,064円でしたが、2021年1月の金価格は6,414円へと上昇。この間、世界の経済は大打撃を受け、経済活動がほぼ行われていないと言っても良い状態であったにもかかわらず、金の価格は逆に上昇しているということになります。アメリカ経済が安定するとゴールドの価格が下がるというのが定説ですが、現状ではアメリカ経済に限らず、世界的に経済が安定するまでには相当な年月がかかると考えられており、有事の備えとしても「不測の事態に強い金」の購入を投資家や資産家が進めており、コロナ禍でも金価格は上昇。ゴールドの価値が上がり続ける状況は今後も続いていくと考えられています。

過去5年間 ゴールド価格変動(円/グラム)

ゴールド価格は変わらず上昇傾向

日本の金取引価格の最高値は1980年1月21日の6,945円ですが、それ以降は下落する一方で1998年には史上最低価格となる865円を記録したこともあります。この要因と言われているの金は世界中で取引が行われているので、各国の情勢、各国間の関係、需要と供給のバランスなど、様々な要因に影響を受けて価格が変動します。日本における金取引価格は1980年1月21日の6,945円が最高記録ですが、その18年後の1998年には史上最低価格の865円を記録しています。史上最高価格を記録してから徐々に下降に転じ、ついには1,000円台を割り込んだ金の価格が再び上昇するのは2000年代以降です。緩やかに上昇に転じた金相場は、2000年代以降は暴落することもなく上昇傾向を続けており、2016年から2019年前半にかけては4,000円台後半を維持していました。

特に目を引くのが2018年から2019年にかけての相場で、4,000円台後半から5,000円台後半へと一気に1,000円近く高騰。この勢いのまま2020年には40年ぶりとなる6,000円台超えを記録しました。直近5年間でも確実な上昇傾向を見せている金相場ですが、2019年後半から2020年にかけてはコロナ禍で世界中が経済的に大打撃を受けている中での大幅な上昇という点にも注目すべきです。8月をピークに一度は下降傾向に転じたものの、年末には持ち直し2021年に入ってからは再び上昇した理由について、ワクチンの開発によってコロナショックが収束に向かい、経済が上向くと予想した投資家が金を売り始めたものの、収束の見通しがなかなか立たないことで金が再び買われ始めたのではないかと分析する専門家も多いようです。

コロナショックで1年以上にわたって打撃を受けた世界経済がいつ回復するのかを的確に予測するのは難しい状況ですが、ワクチン接種が進んでも経済の安定が見通せないと投資家たちが判断し、金への投資を続けていることは確かです。世界経済が安定するまで金相場が上昇傾向にあり、今後もさらに高騰すると考えられており、金への投資人気はより一層高まりを見せ、注目されています。


世界的金相場の歴史

不安定な世界情勢を反映する金相場の動向

金相場は長い歴史の中では急騰と言われるほどの価格上昇を見せたことも、下落を見せたこともありますが、金がまったく価値の無い物になったことはありません。価格が変動する要因はアメリカやヨーロッパなどの政治や経済の状況、各国間の緊張状態の高まり、あるいは米ドルの価格下落、株価の暴落など様々ですが、世界情勢が不安定で、経済状況の見通しが立たない時ほど、「価値がゼロになることが無い」安定資産である金が買われることとなり、それによって金相場が大きく動くと考えられます。

1980年に金相場が急騰した原因がイランイラク戦争であることは確かな事であり、2000年以降にはリーマンショックやギリシャの財政不安、米国債の格下げなどによって金相場が大きく高騰し、下落しています。株や通貨は一瞬で紙くず同然になるリスクを抱えていますが、そのリスクを避けるために株式や通貨を売って金を購入する投資家が増えるため、世界情勢が不安定になると金相場が上昇します。

世界情勢に合わせて金を購入する投資家が増え、金相場が上がった時をチャンスと見て金取引に参入してくる企業や個人は少なくありません。株式などを手放した資金で、こぞって金を購入しようとする人が増えれば需要の高まりから、さらに金の価格は高騰。供給量とのバランスが取れないことでゴールドの価値は上昇が続き、さらに投資チャンスと見る人が集まるという状況が続くことになります。


●金の価格が下がる要因とは?

2021年も安定して上昇傾向にあると考えられる金価格ですが、下降に転じる可能性はゼロではありません。下がる要因として大きく考えられるのは世界情勢の安定です。金相場は世界情勢を反映して変動することから、世界的に景気が回復傾向に動き始めると金ではなく株や通貨を購入する投資家が増え、金価格が下がることもあり得ます。また、各国間の緊張が解け、戦争のリスクが軽減されることも世界情勢の安定に繋がるため、金価格が下降傾向に転じるきっかけの一つと考えることができるでしょう。現状、コロナウイルスが与える影響は決して小さくはありません。コロナウイルスのパンデミックが収束するまでの期間の把握は難しく、ロックダウンによって被る経済的な損失は予想をはるかに上回るものです。今は、持ちこたえている企業もコロナショック終息後に、企業としての体力がどの程度残っているかはわからず、まだまだ世界の経済状況の先行きは不透明です。ただし、回復の兆しを見せた時には金価格が下がる事も十分に考えられます。

また金利の上昇によっても金の価格、つまりゴールドの価値は下がると考えられています。現在の金利は世界的にかなり低い水準のため、預貯金での資産運用は難しい事ですが、金利が上がれば預貯金で資産を増やそうとする人の割合は増えいきます。リーマンショック後、アメリカの金利が引き下げられた時に金の価格が高騰しましたが、これは現在も高値で推移している金相場のキッカケになった出来事とも言われています。

金の価格が下がるのか、いつ下落するのかを予想するのは専門家でも簡単ではありません。ただし、直近5年間だけを見ても金価格は上昇傾向にあり、2019年から2020年の1年間だけを見ても約1.24倍と1,204円も金価格は上昇しました。今後も投資家がこぞって金を買いに走る可能性は高いと予測されており、近い将来に金価格が大きく下がる可能性は低いと考えられています。


●供給量が増やせないからこそ価値が高まるゴールド

どれほど技術が進歩しても「金をゼロから作り出すことはできない」為、金鉱脈に残る金を全て採掘してしまえば金の供給は世の中からストップしてしまいます。元々、金の埋蔵量には限りがあり、さらに採掘にかかるコストも考えると供給量を大幅に増やすことはできません。現在までに発見されている金鉱脈からは、すでに多くの金が採掘されており、新たな金鉱脈が見つかったとしても供給量が需要を上回ることは考えづらく、需要と供給のバランスだけを考えると金の価格が下がることは無いと考えられています。

金には投資対象としての価値だけでなく、宝飾品としての実用性の価値もあります。ゴールドの持つステイタスとしての需要は高く、代々受け継ぐ宝飾品、万が一にも備える資産としても人気です。通貨や株式と違って実用性の高い投資にもなり、宝飾品として身に着けながら将来的な値上がりを待つことも可能な有益性は金にしかない魅力の一つとも言えます。今後も安定した資産を確保するための需要がなくなることは考えづらく、投資対象としての金の魅力が衰えることはありません。

今後もゴールドの価格上昇に期待

新型コロナウイルスの影響がゼロになることはないにしても、ワクチン接種、治療薬の開発などによってパンデミックは終息に向かい、それに伴って経済が回復していく日はいずれ訪れるはずです。そのような場合、経済が今よりも安定したことで資金が通貨や株式に流入し、金の価格は少し落ち着くのではないかと予想する専門家もいます。ただし、アメリカの中央銀行にあたるFRBが行っている金融緩和策の強化は米ドルの価値が今よりも下がる可能性があります。市場に出回る米ドルが増えればその価値が下がり、「米ドルの代わり」としてゴールドの価値が上昇、世界の金相場も高値で推移していくとも予想されています。

金価格は変わらず上昇傾向にあり、コロナショックで経済が落ち込む中でも価格が上がっているゴールドは、今後も高い水準で推移すると見られています。その理由には宗教的な背景、社会的なステイタスや資産、宝飾品として金を特に必要とするインドや中国の需要が減少するとは考えづらいからです。この2カ国だけで世界の金需要の35%を占めることを合わせても、今後も安定したゴールドの価値、需要が見込まれると考えられます。

90年代のリーマンショックによる金相場への影響が終わりを見せて以降、その水準にまで金の価格が落ち込んだことはなく、2013年以降は常に4,000円台よりも高値で推移しています。アメリカの格付け会社フィッチ・レーティングスは、2021年の金相場の平均価格予想を従来の1,400ドルから1オンス=1,600ドルに引き上げましたが、その理由は今後もゴールドの需要の増加が見込めるからとなっています。

100年に渡り地金の価値は上昇
資産としても宝飾品としても価値のあるゴールド

金の価格は上昇傾向にあり、近い将来に価格が大幅に下がることは考えにくく、今後も上昇を続けていくだろうと考えられています。すでに高くなってしまったゴールドを現在の価格で購入したとしても、その価格を長期的に見て下回ることは考えにくいため、「ゴールドは常にその時が買い時」だと言えます。世界的にも安定資産として注目の高い金は、宝飾品としての価値も素晴らしく、ジュエリーの地金素材としての希少性と、その価値は他の追随を許しません。ゴールドは購入した後も、時代や流行などの背景にも左右されず、価値を保ったままジュエリーとして身につけることができます。

100年に渡り上昇を続ける金の価格は2020年5月に約40年ぶりとなる6,000円台に達しました。世界的なコロナショックでも安定資産としての底力を見せつけたゴールドの価値。「永遠のゴールド」と呼ばれる由縁をまざまざと私たちに教えてくれました。これからも金の持つ価値と、その魅力からますます目が離せなくなりそうです。純金とはまさに「永遠のゴールド」なのです。


【追記】
この記事を掲載してから2年もの間にゴールドの資産価値は高騰し続け、2024年3月15日現在で1グラム11,070円と実に32%もの上昇を遂げました。この流れは今後も収まる気配はなく、純金ジュエリーのステータスとその価値は、今後ますます上がっていくと考えられます。この記事が資産としてもジュエリーとしても魅力的な純金ジュエリー購入のキッカケとなれば幸いです。


記事更新: 2024/3/15

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